淡水錦元棉被店

(〃 ̄ ̄ ̄ ̄(エ) ̄ ̄ ̄ ̄)大丈夫じゃない、問題だ( ̄ ̄ ̄ ̄(エ) ̄ ̄ ̄ ̄〃) 日本フレンドを見えるのかた(/ω\)ありがとうカニ

2018年8月23日 星期四

コリネバクテリウム・ウルセランス感染症(白喉桿菌)


ジフテリア

ジフテリアはジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の飛沫感染によって起こる呼吸器疾患であり、感染部位によって鼻、扁桃・咽頭、喉頭ジフテリアに分類できる。しかし、まれに眼瞼結膜、中耳、陰部、皮膚にも感染が起こることがある。重症化すると昏睡や心筋炎などの全身症状が起こり、死亡率が高くなる。死亡率は平均5~10%、5歳以下40歳以上では20%をこえるとされている。現在日本では予防接種の普及と衛生状態の改善によって患者の発生はほとんど見られないが、予防接種率の低下した旧ソ連地域では1990年代に大発生が起きており、油断することはできない。


感染症法とジフテリア

ジフテリアが発生した場合には公衆衛生上の問題が大きいことから、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、平成11年4月1日施行、平成18年12月8日最終改正)では二類感染症に分類されている。ジフテリアを診断した医師は、最寄りの保健所への届け出が義務づけられている。また患者は原則として第二種感染症指定医療機関に入院することになっている。C. ulceransによるジフテリア様疾患には現在この法の適用はないが、今後、疫学調査や基礎研究を積み重ねて検討される必要がある。

 

Corynebacterium ulcerans(コリネバクテリウム ウルセランス)

C. ulceransはジフテリア菌に類縁なグラム陽性の短桿菌で、おもに家畜などの動物に常在しており、ウシの乳房炎の原因となることがある。通常C. ulceransは毒素を産生しない場合が多いが、ジフテリア様疾患の患者から分離されたC. ulceransは、ジフテリア菌とほぼ同じ毒素を産生する。毒素産生性のC. ulceransは毒素非産生の菌に毒素の遺伝子をもつバクテリオファージが感することによって生じたと考えられている。 


バクテリオファージ

バクテリオファージは細菌に感染するウイルスで多くのタイプがある。バクテリオファージが細菌に感染すると菌内で増殖したあと外に出て、他の菌へ感染を繰り返すが、菌の遺伝子に組み込まれて長期間共存(溶原化)することもある。ジフテリア菌の毒素遺伝子は溶原化したバクテリオファージ内に存在しており、これはしばしば菌から菌へと伝播することが報告されている。


ジフテリア毒素

ジフテリア毒素は、約58kDaのタンパク質で、強い細胞毒性を有する。作用機序は細胞のタンパク質合成能の阻害で、多種の動物細胞、組織に傷害を与える。哺乳動物のうちヒト、サル、ウサギ、モルモットなどはジフテリア毒素に対して感受性が高く、致死量は100ng/kg体重以下とされている。ジフテリア毒素に対する抗体には発症を予防する効果があるため、ジフテリア毒素を不活化したもの(トキソイド)がジフテリアのワクチンとして使用される。 

 

C. ulceransの検査

C. ulceransの検査は分離培養、PCR検査などによって行う。国内で分離されている菌は羊血液寒天培地上で乳白色の光沢のあるコロニー、チンスダール培地では黒色のコロニーを形成し、ジフテリア菌のものとよく似ている。 PCR 検査ではジフテリア毒素遺伝子の有無を検査する。
血液寒天上のコロニー
チンスダール寒天上のコロニー
グラム染色像
走査電子顕微鏡像


偽膜

ジフテリア菌が咽頭、喉頭、鼻腔などの気道に感染した場合、灰白色がかった偽膜性炎症が形成されることがある。偽膜内にはジフテリア菌が存在し毒素を産生している。ジフテリアの偽膜は厚く無理にはがすと出血しやすい。咽頭部では厚い偽膜と粘膜の浮腫によって気道の閉塞が起こることがある。
C. ulceransによる偽膜
C. ulcerans感染により形成された偽膜(旭中央総合病院 提供)
ジフテリアによる偽膜
ジフテリア(C. diphtheriae感染)により形成された偽膜(北里大学医学部客員教授 柳下徳雄先生提供 日本医師会雑誌 67巻7号より)


ブルネック(bullneck)

ジフテリアの重症例では、下頸部と前頸部に著しい浮腫とリンパ節の腫脹が見られ、特徴的なブルネック(bullneck)と呼ばれる症状を呈する。
ブルネック
ブルネック症状を呈したジフテリア症例。北里大学医学部客員教授 柳下徳雄先生提供 日本医師会雑誌 67巻7号より)


チンスダール寒天培地

Tinsdale によって考案された培地で、上気道から分離されるジフテリア菌と他の菌の鑑別に用いられる。培地には亜テルル酸カリウムが加えられている。ジフテリア菌のコロニーには亜テルル酸塩還元活性があるので、褐色ないし黒色のコロニーとなり、ハローの形成が見られる。C. ulceransもチンスダール寒天培地上でジフテリア菌とよく似たコロニーを形成する(「C. ulceransの検査」の項目参照)


https://www.niid.go.jp/niid/ja/corynebacterium-m/


コリネバクテリウム・ウルセランスに関するQ&A


【一般の方向け】

Q1 コリネバクテリウム・ウルセランス感染症(以下「当該感染症」という。)とは?

ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)と同様にコリネバクテリウム属に分類されるコリネバクテリウム・ウルセランス(Corynebacterium ulcerans、以下、ウルセランス菌)という細菌によって引き起こされ、ジフテリアによく似た症状を示す感染症です。


Q2 人への感染経路は?

当該感染症は、人、犬、猫、牛のほか、様々な動物において感染事例が確認されており、咽喉頭、肺、皮膚、乳腺などに、様々な症状を呈する動物由来感染症です。
 海外においては、乳房炎や関節炎に罹患した牛の生乳からの感染が主に確認されていました[1-3]。最近では、ウルセランス菌に感染した犬や猫からの感染が国内外で広く確認されるようになっています[3]。
 なお、人から人への感染事例は、国内では現在まで報告がなく、国外においても、非常にまれです[4, 5]。


Q3 臨床症状は?

基本的にジフテリアと類似した臨床症状を示します。呼吸器感染の場合には、初期に風邪に似た症状を示し、その後、咽頭痛、咳などとともに、扁桃や咽頭などに偽膜形成や白苔を認めることがあります。重篤な症状の場合には呼吸困難等を示し、死に至ることもあります。また、呼吸器以外(頸部リンパ節腫脹や皮膚病変)の感染例も報告されています[3, 6]。


Q4 治療方法は?

抗菌薬が有効であるとされています[6]。国内においては、マクロライド系抗菌薬の使用による回復例が報告されています。

Q5 感染予防のためには?

人での国内感染事例の多くは犬や猫からの感染であることが確認されており、ウルセランス菌に感染した動物と接する場合には注意が必要です。感染した動物は、くしゃみや鼻汁などの風邪に似た症状や皮膚病を示すことがあり、動物間で感染が拡大することも報告されています[7]。
 一方で、無症状の保菌動物の存在も報告されています。ただし、過度に神経質になることよりも、一般的な衛生管理として動物と触れあった後は手洗いを確実に行うことなどにより、感染のリスクを低減することが重要です。
 国内では、人に対する定期の予防接種の対象である3種混合(最近では4種混合)ワクチンにジフテリアトキソイド(ワクチン)が含まれています。このワクチンは、当該感染症に対しても有効であると考えられています[8, 9]。



Q6 ペットが感染したかもしれないと思った時は?

飼育している犬や猫が咳やクシャミ、鼻水などの風邪様症状、皮膚炎、皮膚や粘膜潰瘍などを示しているときは、早めに獣医師の診察を受けるようにしてください。
 また、こうした犬や猫に触る場合は、過度な接触を避け、手袋やマスクをし、触った後は手洗いなどを励行してください。


Q7 日本での発生状況は?

2001年から2017年11月末までに国立感染症研究所で発生を確認しているものは、25例です。公表されているものは以下のとおりです。(国立感染症研究所調べ)
No. 発症年月 患者 臨床経過等 その他 参考文献
1 2001年2月 50歳代、女性、
千葉県
呼吸困難、嗄声、上咽頭と喉頭前庭に白色偽膜形成 飼育している猫20匹飼のうち1匹で皮膚炎 [10, 11]
2 2002年10月 54歳、男性、
千葉県
同上 1例目の患者と同地区に住居 [12]
3 2005年9月 50歳代、男性、
岡山県
左耳下腺部腫脹、軽度の咳等 飼育していた犬が皮膚炎(犬死亡後に患者が発症) [13]
4 2005年10月 50歳代、男性、
大分県
肺に多発性空洞病変、咳、痰、発熱等 猫を12匹飼育 [14]
5 2006年7月 50歳代、女性、
神奈川県
呼吸困難、嗄声等。上咽頭と喉頭前庭に白色偽膜形成。ジフテリア抗毒素使用により加療 その後患者は重症肺炎の増悪により死亡 [15]
6 2009年1月 50歳代、女性、
東京都
咽頭痛、嗄声等、上咽頭と喉頭前庭に白色偽膜形成 自宅で餌やりをしている猫5匹中2匹から菌分離。 [16]
7 2010年7月 50歳代、男性、
神奈川県
腋窩膿瘍(穿刺液より菌分離) 猫10匹飼育。屋外でも猫に餌やりを行う [17]
8 2010年10月 50歳代、女性、
茨城県
咽頭痛、嗄声等、上咽頭と喉頭前庭に白色偽膜形成 猫1匹飼育  [18]
9 2011年4月 50歳代、女性、
滋賀県
同上 猫14匹、犬7匹、ヤギ2匹飼育 [19]
10 2011年12月 30歳代、女性、
山形県
右肘膿瘍(穿刺液より菌分離) 猫6匹飼育 [20]
11 2012年1月 30歳代、男性、
香川県
腋窩リンパ節膿瘍(穿刺液より菌分離) 親戚宅で犬3匹飼育 [21]
12 2012年11月 70歳代、女性、
埼玉県
呼吸困難、嗄声等、上咽頭と喉頭前庭に白色偽膜形成 飼育している猫4匹中1匹から菌分離 [22]
13 2013年4月 20歳代、女性、
埼玉県
呼吸困難、嗄声等、喉頭前庭に白色偽膜形成 猫18匹飼育 [23]
14 2014年4月 6歳、女児、
徳島県
頸部リンパ節膿瘍(穿刺液より菌分離) 猫1匹飼育(発病時皮膚病) [24]
15 2015年9月 60歳代、女性、
東京都
発熱、鼻汁等、気管支に黄白色偽膜形成 猫3匹飼育(うち1匹に皮膚疾患あり)。屋外でも猫に餌やりを行う [25]
16 2016年2月 17歳、女性、
北海道
皮膚病変 犬飼育 [26]
17 2016年3月 63歳、女性、
栃木県
咽頭痛、呼吸困難より人工呼吸処置要。咽頭から声門にかけて白苔あり 猫7匹飼育
18 2016年3月 岡山県 右頚部化膿性リンパ節炎 犬飼育(患者発症2ヶ月後に死亡)
19 2016年5月 60歳代、女性、
福岡県
呼吸困難。救急搬送されて3日目に死亡。偽膜と血液から菌検出。 屋外で猫3匹に餌やり [27]





























https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/corynebacterium_02.html

2 自治体、医療機関向けの情報

2018年01月10日掲載 PDF コリネバクテリウム・ウルセランスによるジフテリア様症状を呈する感染症患者に関する情報について(通知) [953KB]
2009年07月22日掲載 PDF コリネバクテリウム・ウルセランスによるジフテリア様症状を呈する感染症患者に関する情報について(通知) [755KB]
2002年11月20日掲載 PDF コリネバクテリウム・ウルセランスによるジフテリア様症状を呈した感染症患者に対する対応について(通知) [25KB]